この物語はフィクションです。

First007:密技探偵

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書斎のイメージ

 なァ、君、ちょっと話を聞きたいんだけど、少しだけ時間あるかな? 何、ちょっとした疑問なんだけどさァ、君、随分と長い間、あの銀行の中に居たみたいだけど……銀行の関係者なのかい? それとも、噂の銀行を一目見たいと思って集まって来た野次馬の口かい? まァ、見る限り、野次馬って言うよりも、じゃじゃ馬って方かもしれないけれど……さ、俺とちょっとだけで良いから、つき合ってくれないかなァ。

 なァ、急ぎの仕事がないのなら話くらい聞かせてくれても良いだろう? そこのカフェで舶来のコーヒーでも一緒に飲みながらってのでどう? お望みとあらば、甘い甘い苺の乗った白いクリームのケーキも付けるからさァ。なァ、頼むよ。本当にちょっとで良いから、あの銀行の中であった事を聞きたいんだ。頼むよ。協力してくれれば、謝礼も払うからさァ。

 俺? 俺は……俺の名前は……矢車主税。職業は、探偵。金を貰って人の秘密を探るのを生業にしている者さ。おい。疑いの目で見るなよ。本当の事なんだからさ。これでも業界では有名になりつつある有望株として、少しは評価され初めているんだからさァ。

 だからさァ、君が見て来たことを教えて欲しいンだ。どんな些細な内容でも良いンだ。その話の中に、俺が引き受けている依頼を解決に導くために必用な情報が含まれている可能性があるンでね。だから、俺としてはどうしても、君から話を聞きたいのさ。なァ、少しの時間だけで良いんだ。よろしく頼むよ。

 ……え? 謝礼は要らないのか? そうか、君は随分、裕福な生活をしているンだなァ。
 それよりも、捜査を手伝いたいって? どういうことだい? いや、君も訳ありって奴なのか? あ、いや……何、別に構わないと言いたいところだけれども、こっちもプロでね。手伝いたいなんて軽い言葉で、助手を取るわけにはいかないんだ。
 だから、情報の交換ってところでどうだい? こっちもタダで情報を渡そう。君も、君の知っている情報を俺に話す。どうだい? これで交渉成立ってことで?

 ありがとう。
 それじゃァ、立ち話も何だから、とりあえず、そこのカフェでコーヒーでも飲みながら話そう。あァ、支払いは俺が持つから……心配しないで。
 それから、俺たちの様子を見ている輩がいると厄介だから、君は振り返らずに、まっすぐ先にカフェに行って、窓から遠い席を二人分取って置いてくれないか。
 大丈夫。俺もすぐに後から行くから。

 ちょっとした用心という奴さ。探偵業をしているとね。そういう小さな気配りが必用に思えてくるものなのさ。

 さァ、話がまとまったなら機敏に行動しよう。
 君はまっすぐカフェへ。
 俺は、物陰からこちらの様子を伺っている誰かさんを揺動してからカフェへ。
 詳しい話はそれからだ。

おことわり

 この物語はフィクションであり、実在の人物、団体、機関、施設等とは一切関係ありません。肩を張らずに読める読み物としてお楽しみください。

物語

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最終更新日:2008年11月11日

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